肛門管へ進展する直腸がんに対するネオアジュバント放射線治療 ー 外腸骨および鼠径リンパ節領域への予防照射は必要か? ー

  直腸がん

Zheng R et al. BMC Cancer. 2022. PMID: 35701738
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35701738/

・肛門管へ進展する直腸がん患者における外腸骨および鼠径リンパ節への放射線治療


<背景と目的>
・今回の研究の目的は、肛門管へ進展する直腸がん患者において、外腸骨や鼠径リンパ節を放射線治療の臨床的標的体積(CTV, clinical target volume)へ含める必要があるかを評価すること。

<対象と方法>
・今回の研究では、下部直腸がんで、MRIにより腹膜翻転部より尾側まで腫瘍の進展が認められ、外腸骨や鼠径リンパ節への予防照射を行わないネオアジュバント放射線治療が行われた患者399例を対象とした。
・肛門管への進展の有無により患者を2群に層別化を行った(肛門管への進展あり 109例、肛門管への進展なし 290例)。
・IPTW(inverse probability of treatment weighting)および多変量解析を行い、全生存(OS, overall survival)、局所領域無再発生存(LRFS, locoregional recurrence-free survival)、無病生存(DFS, disease-free survival)を比較した。
・Fisher and Gray’s testを用いて、外腸骨リンパ節転移再発率、鼠径リンパ節転移再発率を両群間で比較した。

<結果>
・肛門管への進展の有無による5年累積外腸骨リンパ節転移再発率に有意な違いは見られなかった。
・肛門管へ進展のない患者と比較して、肛門管へ進展のある患者では鼠径リンパ節転移再発のリスクが高く、5年累積鼠径リンパ節転移再発が高かった。
・両群間の比較において、5年全生存、無病生存、遠隔無再発、局所領域無再発生存に有意差を認めなかった。
・肛門管への進展による全生存や局所領域無再発生存、無病生存、遠隔無再発生存への有意な影響を認めなかった。

<結論>
・肛門管へ進展する直腸がんに対するネオアジュバント(術前)放射線治療において、外腸骨や鼠径リンパ節領域への予防照射の省略は可能な様子。


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