頭頸部がんに対する化学放射線療法 ー 化学療法と放射線治療の開始タイミングが治療成績へ与える影響 ー

  頭頸部がん

Steber CR et al. Acta Oncol. 2022. PMID: 35695175
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35695175/

・頭頸部がんに対する根治的化学放射線療法
・放射線治療と化学療法の開始タイミング


<背景>
・頭頸部がんに対する根治的化学放射線療法(CRT, chemoradiation)において、化学療法(CT, chemotherapy)と放射線治療(RT, radiation therapy)の最適な開始タイミングは確立されていない。
・今回の研究では放射線治療(RT)や化学療法(CT)の開始タイミングが臨床成績へ与える影響を評価した。

<対象と方法>
・2012年から2018年の期間に頭頸部扁平上皮がんに対して根治的化学放射線療法を施行した患者を同定した。
・再照射、術後化学放射線療法、再発または二次原発がん、ECOG 3-4の患者は除外した。
・評価項目:局所領域制御(LRC, locoregional control)、遠隔制御(DC, distant control)、無増悪生存(PFS, progression-free survival)、全生存(OS, overall survival)
・放射線治療(RT)や化学療法(CT)の開始タイミング(化学療法先行、同日開始、24時間以内、月曜/火曜/水曜開始)による治療成績差を評価した。

<結果>
・合計で131例を解析に組み入れ、中咽頭(64%)、喉頭(22.9%)、上咽頭(6.9%)、下咽頭(3.1%)、口腔(1.5%)、原発不明(1.5%)。
・化学療法:シスプラチンの3週ごと投与が40%の患者、シスプラチンの毎週投与が60%の患者で行われており、シスプラチンの累積投与量の中央値は240 mg/m2であった。
・多変量解析において、放射線治療前の化学療法投与と良好な局所領域制御との関連がみられた(HR 0.33, 95% CI 0.11-0.99)。
・3年局所領域制御率は、化学療法施行例で90.9%、放射線治療先行例で78.2%。
・多変量解析において、シスプラチンの投与レジメンやシスプラチンの累積投与量が全生存と相関していたが、遠隔制御や無増悪生存との有意な関連を認めた因子はなかった。

<結論>
・頭頸部扁平上皮がんに対する根治的化学放射線療法において、化学療法を先行することにより局所領域制御を改善する可能性があるが、遠隔制御や無増悪生存、全生存への有意な影響は認められなかった。
・その他の化学療法や放射線治療の施行タイミングの層別化比較では有意な臨床成績の差は認められなかった。


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