【DART 01/05 10年成績】限局性前立腺がんに対するアンドロゲン抑制療法併用放射線治療 ー 短期併用 vs. 長期併用 ー

  前立腺がん

Zapatero A, et al. Lancet Oncol. 2022. PMID: 35427469
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35427469/

・限局性前立腺がんに対する高線量放射線治療とリスクに応じたアンドロゲン抑制療法
・第3相ランダム化試験、DART 01/05、10年成績、スペイン


<背景>
・前立腺がんに対する高線量放射線治療施行時の適切なアンドロゲン抑制療法の施行期間に関しては依然として議論が残っている。
・DART 01/05試験は、高線量放射線治療に併用する際、短期のアンドロゲン抑制療法併用と比較して、長期のアンドロゲン抑制療法が優れるかどうかを評価するようにデザインされた。
・5年成績では、特に高リスク症例では、短期間のアンドロゲン抑制療法と比較して、2年間の長期のアンドロゲン抑制療法の併用の方が、生化学的制御や転移、全生存が良好であった。
・今回、DART 01/05試験の10年の最終結果を報告する。

<対象と方法>
・今回の第3相ランダム化試験は、スペインの10施設で行われた。
・適格基準:18歳以上、組織学的に確認された前立腺腺がん、cT1c-T3, N0M0(AJCC 2002)、中リスクまたは高リスクで、PSA <100 ng/mL、KPS 70%以上。
・患者を(1:1)の割合で短期アンドロゲン抑制療法併用群(短期併用群)と長期アンドロゲン抑制療法併用群(長期併用群)にランダム化し、高線量放射線治療(76 Gy以上、中央値 78 Gy)を施行した。
・短期併用群では、放射線治療前と放射線治療期間中4ヶ月間、アンドロゲン抑制療法を行った。
・長期併用群では、短期併用と同様なアンドロゲン抑制療法に加え、放射線治療後24ヶ月間、アンドロゲン抑制療法を継続した。
・短期併用群では、アンドロゲン抑制(フルタミド 750 mg/day または ビカルタミド 50 mg/day)とゴセレリンの皮下投与を行い、抗アンドロゲン療法を最初の2ヶ月間行った。
・長期併用群では、短期併用群と同様のアンドロゲン抑制療法併用に加え、ゴセレリン投与を3ヶ月ごと、24ヶ月間継続した。
・主要評価項目:5年生化学的無病生存。
・今回の10年成績の解析では、全生存、遠隔無再発生存、生化学的無病生存、疾患特異的生存を評価した。

<結果>
・2005年11月-2010年12月、355例が登録された。
・短期併用群1例が同意撤回し354例がランダム化された(短期併用群 177例、長期併用群 177例)。
・経過観察期間の中央値は119.4ヶ月(IQR 100.6-124.3)。
・10年生化学的無病生存率は、長期併用群 70.2%(95% CI 63.1-77.3)、短期併用群 62.3%(54.9-69.7)(HR 0.84, 95% CI 0.50-1.43; p=0.52)。
・10年全生存率は、長期併用群 78.4%(72.1-84.8)、短期併用群 73.3%(66.6-80.0)(HR 0.84, 95% CI 0.55-1.27; p=0.40)。
・10年遠隔無再発生存率は、長期併用群 76.0%(69.4-82.7)、短期併用群 70.9%(64.0-77.8)(HR 0.90, 95% CI 0.37-2.19; p=0.81)。
・高リスク患者において、10年生化学的無再発生存率は、長期併用群 67.2%(57.2-77.2)、短期併用群 53.7%(43.3-64.1)(HR 0.90, 95% CI 0.49-1.64; p=0.73)。
・高リスク患者の10年全生存率は、長期併用群 78.5%(69.6-87.3)、短期併用群 67.0%(57.3-76.7)(HR 0.58, 95% CI 0.33-1.91; p=0.054)。
・高リスク患者の遠隔無再発生存率は、長期併用群 76.6%(95% CI 67.6-85.6)、短期併用群 65.0%(55.1-74.8)(HR 0.89, 95% CI 0.33-2.43; p=0.82)。
・11/354例(3%)が前立腺がんが原因で死亡しており、全例高リスクの患者であった(長期併用群 5例、短期併用群 6例)。
・76例(21%)が他の原因により死亡しており、大半は2次がん(31例, 9%)や心血管疾患(21例、6%)であった。
・治療に関連した死亡は認められなかった。

<結論>
・10年の経過観察後、5年時点での長期のアンドロゲン抑制療法の有意なベネフィットを支持することができなかった。
・しかしながら、高リスクの患者では臨床的なベネフィットの大きさは臨床的に妥当なものであった。
・中リスクの患者で、高線量照射が行われた場合には、長期のアンドロゲン抑制療法によるベネフィットは認められない。


LEAVE A COMMENT