乳がんに対する乳房温存術後放射線治療 ー 標的内同時ブースト(SIB)を用いた寡分割照射 ー

  乳がん

Pfaffendorf C et al. Breast. 2022. PMID: 35691249
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35691249/

・乳がんに対する乳房温存術後放射線治療
・標的内同時ブースト(SIB)を用いた寡分割照射
・2つの第2相試験(ARO-2010-01、ARO-2013-04)の長期成績報告、ドイツ


<目的>
・乳がんに対する乳房温存手術(BCS, breast-conserving surgery)後の、標的内同時ブースト法(SIB, simultaneous integrated boost)を用いた寡分割照射(HF, hypofractionated radiotherapy)を評価した2つ前向き試験(ARO-2010-01 および ARO-2013-04)の長期成績を解析した。

<対象と方法>
・適格症例:組織学的に確認された孤立性(unifocal)の乳がんで、全乳房への照射と腫瘍床へのブースト照射予定の患者。
・いずれの試験においても全乳房に対して40Gy/16回(1回 2.5 Gy)、腫瘍床に対して 48 Gy/16回(1回 3 Gy)の照射を行った。
・放射線治療は3次元原体照射(3D-CRT, three-dimensional conformal radiotherapy)または強度変調放射線治療(IMRT, intensity modulated radiotherapy)、いずれかにより照射を行った。
・研究の主要評価項目は実行可能性(feasibility)と6ヶ月間の経過観察期間中の安全性。
・今回の研究では長期の有効性と毒性に焦点を当て、調査を行った。

<結果>
・2011年から2014年、合計で300例が登録された。
・これらの患者のうち274例のデータ解析が可能であった。
・経過観察期間の中央値は60ヶ月、5年無病生存率は92.1%。
・局所再発が3例(36-72ヶ月後)に認められ、領域リンパ節再発が1例(17ヶ月後)に認められた。
・乳房の5年局所制御率は99.6%であった。
・63.5%の患者では晩期の放射線関連毒性の報告がなかった。
・28.5%の患者にグレード1、7.3%の患者にグレード2の晩期毒性が認められた。
・グレード3毒性が2例に認められた(0.7%、毛細血管拡張と乳房のリンパ浮腫)

<結論>
・乳がんに対する乳房温存手術後の放射線治療において、標的内同時ブースト法(SIB)を用いた寡分割照射後は有効で長期の副作用の発生率は低かった。
・現在、第3相ランダム化試験が進行中。


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