肛門管がんに対する強度変調放射線治療(IMRT)による化学放射線療法

  肛門がん

Holliday EB et al. Oncologist. 2022. PMID: 35305097
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35305097/

・肛門扁平上皮がんに対する根治的強度変調放射線治療


<背景>
・肛門扁平上皮がん(SCCA, squamous cell carcinoma of anus)では強度変調放射線治療(IMRT)が標準治療と考えられているが、治療成績や毒性の報告は少ない。
・今回の後ろ向き研究では、肛門扁平上皮がんに対する強度変調放射線治療(IMRT)による化学放射線療法後の治療成績を評価した。
・また線量増加(>54 Gy)の照射の治療成績への影響を評価し、シスプラチン/フッ化ピリミジン系剤併用とマイトマイシン/フッ化ピリミジン併用による治療成績差を評価した。

<対象と方法>
・2003年1月1日から2018年12月31日に、強度変調放射線治療(IMRT)により化学放射線療法(CRT)が行われた患者を組み入れた。
・局所領域再発回避期間、人工肛門増設回避期間、全生存をカプラン・マイヤー法を用いて推計した。

<結果>
・合計428例を組み入れ、経過観察期間の中央値は4.4年。
・334例(78%)に対してシスプラチン/フッ化ピリミジン系薬剤の併用が行われており、160例(37.4%)に対しては>54 Gyの高線量照射が行われていた。
・局所領域再発回避率は、2年 86.5%、5年 81.2%。
・人工肛門増設回避率は、2年 90.0%、5年 88.3%。
・全生存率は、2年 93.6%、5年 85.8%。
・線量増加やシスプラチン/マイトマイシン併用による治療成績の改善効果は認められなかった。
・シスプラチン/マイトマイシンの同時併用では、急性期のグレード3以上の毒性発生リスクがおよそ2.5倍程度上昇。
・高線量(>54 Gy)照射では、グレード3以上の慢性期毒性リスクがおよそ2.6倍程度上昇。

<結果>
・今回の強度変調変調放射線治療(IMRT)を用いた化学放射線療法(CRT)の結果からは、シスプラチン/フッ化ピリミジン系薬剤併用の化学放射線療法は、急性期毒性が比較的少なく、施行可能で安全な治療選択肢となる可能性がある。
・放射線治療の照射線量の増加の役割に関しては不明で、今後さらなる研究が必要。


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