全身治療歴のない腎細胞がん、少数転移に対する体幹部定位放射線治療 ー 第2相試験 ー

  少数転移, 腎がん

Hannan R et al. Eur Urol Oncol. 2022. PMID: 35985982
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35985982/

・全身治療歴のない腎がん少数転移に対する体幹部定位放射線治療


<背景>
・腎細胞がん(RCC)で、全身療法歴のない少数転移患者に対するエビデンスに基づく治療法は確立されていない。

<目的>
・腎細胞がん(RCC)の少数転移の患者に対し、体幹部定位放射線治療(SBRT)を行うことにより、生活の質(QOL)を保ちながら、長期的な病勢制御が得られるかを評価すること。

<対象と方法>
・頭蓋内転移/脳転移のない、腎細胞がんで遠隔転移の数が3個以下の患者を対象とした。
・少数転移に対して体幹部定位放射線治療(SBRT)を行い、その後に転移が出現した場合、可能な場合には再度の体幹部定位放射線治療(SBRT)を施行

<評価項目>
・前向き単アーム第2相試験
・主要評価項目:>1年間、全身療法を>60%の患者で回避すること。
・副次評価項目:無増悪生存(PFS)(体幹部定位放射線治療(SBRT)施行後から、再度の体幹部定位放射線治療が不能な病勢増悪(局所再発、体幹部定位放射線治療が不能な新規転移、3個以上の新規転移、脳転移)までの期間と定義)、生活の質、局所制御(LC)、毒性、疾患特異的生存(CSS)、全生存(OS)

<結果>
・23例に対し体幹部定位放射線治療が施行され、初回の体幹部定位放射線治療により33部位が治療され、その後の体幹部定位放射線治療を含め合計で57病変に対し体幹部定位放射線治療が行われた。
・経過観察期間の中央値は21.7ヶ月(IQR 16.3-30.3)
・全身療法の施行回避割合は予め設定した60%を超えており、1年時点での全身療法回避割合は91.3%(95% CI 69.5-97.8%)であった。
・1年無増悪生存割合(PFS)は82.6%(95% CI 60.1-93.1%)。
・生活の質(QOL)には概ね影響を与えなかった。
・局所制御割合は100%
・グレード3/4の毒性の発現はみられなかったが、体幹部定位放射線治療3ヶ月後から免疫チェックポイント阻害剤の投与が開始された1例で、免疫関連の大腸炎を発症し死亡に至り、体幹部定位放射線治療の関連が否定できないものであった。
・1年全生存割合は95.7%(95% CI 72.9-99.4)、1年疾患特異的生存割合は100%

<結論>
・腎細胞がん少数転移患者に対する体幹部定位放射線治療後、長期間にわたり病勢制御が得られており、生活の質(QOL)も保つことが可能であった。


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