限局型小細胞肺がんに対する根治的化学放射線療法 ー 予防的リンパ節照射(ENI) vs. 病巣部放射線照射(IFRT)ー

  小細胞肺がん

Suzuki G et al. Nagoya J Med Sci. 2022. PMID: 35967948
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35967948/

・限局期小細胞肺がんに対する化学放射線療法
・予防的リンパ節照射(ENI) vs. 病巣部放射線治療(IFRT)


<背景と目的>
・限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)に対する化学放射線療法において、予防的リンパ節照射(ENI)と病巣部放射線照射(IFRT)、いずれも用いられることがある。
・しかしながら、適切な標的体積の設定法に関しては、一定のコンセンサスは得られていない。
・今回の研究の目的は、限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)に対する根治的化学放射線療法施行例において、予防的リンパ節照射(ENI)と病巣部放射線照射(IFRT)後の臨床成績を比較すること。

<対象と方法>
・2008年から2020年に根治的な放射線治療が行われた患者を後ろ向きに解析した。
・全例で3次元原体照射を行う前に全身のPET-CTによる評価が行われていた。
・解析が行われた37例のうち、22例に対しては予防的リンパ節照射(ENI)が行われており、15例に対しては病巣部放射線照射(IFRT)が行われていた。
・胸部放射線治療の照射線量は、60 Gy/30回(1日1回) または 45 Gy/30回(1日2回)の照射が多くの場合用いられていた。

<結果>
・経過観察期間の中央値は21.4ヶ月。
・12例(32%)に局所領域再発が認められ、10例は照射野内、2例は照射野外からの再発であった。
・病巣部放射線照射(IFRT)が行われた患者のうち1例に孤立性のリンパ節再発が認められた。
・予防的リンパ節照射(ENI)と病巣部放射線照射(IFRT)の比較において、局所領域無再発生存、無増悪生存、全生存に有意差を認めなかった。

<結論>
・予防的リンパ節照射(ENI)と比較して、病巣部放射線照射(IFRT)におる局所領域再発の明らかな増加を認めなかった。


・今回の知見は、病巣部放射線照射(IFRT)が日常臨床の標準となりうる可能性を示唆し、限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)に対する化学放射線療法において、病巣部放射線照射(IFRT)を用いることを支持するものであった。

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